堺で石油運搬をしている義兄。
石油運搬とは、基地からタンクローリーで
担当エリアのガソリンスタンドに石油を運ぶ仕事です。
いつも早朝3、4時には起きて、殆ど休暇もなく、よく働くアニキ。
口は悪いけど、大きな懐で頼もしく、男気があります。
そんなアニキが、先日から有志で東北に入っています。
会社へ率先して東北入りを決断し申し入れをしたそうです。
「俺が、やらなアカンやろ~」
冗談混じりで電話の向こうから
高揚した気持ちのアニキの声。
私達は、出発の前日に、初めて知らされました。
もちろん残された家族もとても心配です。
きっと家族も止めたい気持ちもあったでしょう。
ただでさえ危険物を背中に背負って走るし、現地はどうなのか?
行ってみないとわからないということでした。
しかし、アニキは、心を動かされました。
主人に伝えたそうです。
「後は、頼んだ。」
そして昨日、秋田から主人へ連絡が入りました。
他県から海上輸送で運ばれた石油は、秋田の港に下ろされるそうです。
秋田を拠点として
そこからタンクローリーで、被災地へと運ぶそうです。
そこでは、体験したことがない状況が待っています。
「想像以上にエグイ…」
アニキが運転するタンクローリーの後を乗用車が追跡するそうです。
ローリーを見つけるととどこの給油所で荷降ろしを
するのかを見るために、つけてくる車の数。
そのガソリンスタンドでは長蛇の列の中には、
車と混じって人の姿もあるそうです。
空の灯油缶を抱え、薄着姿でずっと待っている子どもの姿。
映像では、伝わらないナマの
被災者の姿が目に入ってくる…手つかずの被災地。
こんな小さい子まで、苦しんでいる…。
見えない放射能汚染。
日々、地面は揺れやまず、背中に背負った危険物は
移動中の緊迫感はたまらない。
折れそうな心を必死で
それでも前に向けて「今できること」を
日々働いてくれています。
兄ちゃん頑張ってくれてありがとう。
また現地の話を教えてもらおうと思います。