父のこと

父は、入社以来ずっと会社人間で、趣味が仕事のような暮らしをしていました。
家庭は顧みず、母子家庭のような状態でした。
定年後もOB会と称する会社の仲間達とどっぷり、よき時代の話題は尽きることなく会社の話し。
その父の態度がおかしいと感じたのが、そのOB会の世話役を辞め、今から1年半前。78歳のときでした。
簡単な足し算ができなく、同じことを繰り返して話す。加齢のための物忘れかとはじめは思っていましたがやはり、それは、違っていました。
ついた診断名は認知症。「手のひらからモノが消えていく」手に持ったはずのものがどこを探してもわからない。悲しそうにつぶやいていました。
家族は、長いトンネルの入り口に立ったようです。80歳前にしてこんなはずじゃなかったと母は嘆き、家族それぞれが苦しく辛い日々を送ります。
しかし、つらいのは、父本人。
最近では、症状が急に進行して、暴言や徘徊もはじまりました。しかし、調子がいいときは、以前と同じ優しい父の顔もありました。

その父が、母といつものように言い争いをして、言い負かされてる父の味方に私がたまについたのです。
「よしよし」と頭をなでてくれました。

私はいつものような、でも、それは遠い昔になでられたの手の大きさをかんじました。

そして、その「感じ」を体感したもう一人は、父。
「いつの間にか大きくなったな~」と私の頭をなでた後の手を独り言とともに、みつめていました。

おとうさん。もう、あなたのムスメは、ずいぶん前から大きくなってますよ。
頭に残った感覚がココロのほうに流れていきました。
あたたかいような、なつかしいような、不思議な気持ちです。
私にガンバレーといわれているのでしょうか?

父は、今週からデイを利用します。

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