月: 2009年8月
陽を感じた日々 夏旅2009 vol.3
いつもと変わらず携帯の目覚まし音が鳴る。
あわてて、テントから外に飛び出た。
午前4時半の空が明るく、オレンジ色に変わっている。
急いで海岸にカメラを片手にかけあがった。
あああ。
絶景が目の前に広がっている。
新潟の山の峰の方向から今まさに陽が昇る瞬間を待っている。
夕景もいいが、朝焼けのほうが色の変化が何ともいえず、
私好み。
体の底から全身に震えがきた。
この瞬間をずっと、待っていた。
ドラマティックな空のグラデーションをしばし、堪能。
静寂のなかで、シャッター音と
ザワザワと石の海岸へと波が打ち寄せる音だけが続いた。
こんな空のいろに包まれて、いきるちからを
爪の先、髪の毛の先端までも注入できた。
いろ・モノガタリ。
同じ空の下、またいつか会いたい。
夏旅。おつきあいありがとうございます。
陽を感じた日々 夏旅2009 vol.2
右を見れば新潟。左は富山湾が広がっている。
背後は、立山連峰。
この土地ならではの空気や水を感じていた。
夕方3時ごろ空は予想通りにすっきり晴れて
もう朝の漆黒の世界はどこにもなかった。
もうすぐ、きっとあの場所に陽が落ちる…
はるかかなたの水平線上に目をやり
この期待感とともに
夕食の準備の食材を買うため湾岸沿いを辿り車を走らせた。
しかも今夜は満点の星空がみえる。
ペルセウス流星群が最大でみえてくれるそうだ。
食材を買い込み、基地に戻る。
ビールを片手に夕食準備をする。
見る見るうちに、空の色が変わってきた。
「海岸にいくよ」家族に声をかけて、
手を止めて夕景を前菜にいただく。
ダイナミックな夕景はスカイパラソルを愉しむ人をエッセンスに演出してくれた。
しばし、無言で空をみる。
その夜、もちろん多くの星達は空から海へと降り注いでいた。
あいにく、期待していた流星群とは、街の外灯と重なり見える方向があわず、断念。
しかし、流れ星を数えながら眠りにつく。
同じ、空の下。普段は日々の時間に追われている。
でも、今、最高の贅沢な時間を過ごせている!
ああ、このまま時間よとまれ。
陽を感じた日々 夏旅2009 vol.1
今年も盆直前にプチギックリ腰をした主人の状況を横目でみながら
行くべきか、行かざるべきかを悩んだ、キャンプ前だった。
朝着替えをして靴下を履こうとしてかがんだ時に、グキリとやったらしい。
本人も自己反省し、責めるわけにもいかないので「ああ、仕方ないね」と、
昨年同様にキャンセルも頭に入れていた。
前日に決断。
「どこで寝ていても一緒。私頑張るわ~!」の一声で、決行になった。
ダンナさんは、それを待っていたのか??
渋滞も覚悟にしながらいざ、富山へ。
今年も、友人のベビーちゃんと対面するためだった。
今回のキャンプ地は富山「朝日ヒスイ海岸」は、ほぼ、新潟と富山の県境に位置する。
富山を横断するように高速を飛ばす。
休憩しながらだが、6時間ほどで到着。
現地は、今にも雨が降りそうなので、慌ててテントの設営をする。
さすがに雨女と男。
突風でテントが吹っ飛びそうだった。
その夜は、シトシトと雨が降り続けた。
海岸線まで、数メートルだったが、見る気にもならなかった。
あさ、どんよりと空けた。雨は、しょぼしょぼ。
携帯のタイマーは、毎日4時半セットは、ここでも変わらない。
海岸にでようと思い、家族を起こさずそっと出た。
波の音はさほど聞こえない。
聞こえるのは、海岸沿いを走る列車の音だけ。
傘を差し、階段を越えて、松林をくぐり抜けると、
そこは、予想もしなかった世界が目前に広がっていた。
地平線が広がっている。
墨絵のの世界だった。
しばらくいると雨もやみ、空も明るくなってきた。
晴れる予感。
この場所、晴れたらどういう世界が広がっているのか楽しみになってきた。
ゴロゴロと小石の続く海岸線は「ヒスイ」が採れるそうだ。
おそらく、朝は日の出が見れると分厚い雲の方向をにらんだ。
明日、ここでまた、撮影しようと胸が高鳴る。